私は長いこと、社交ダンスをやっています。いろいろなコーチャーに指導を受けていく中でたくさんの感銘を受けてきました。
その中に「勘違いはいっぱいしなさい」と言われたことがあります。これだけ聞くとおかしな感じがしますが、勘違いとは、ある間違いに気づいたときに勘違いになります。
人は二つの事を同時に上手くやることができませんよね。しかしコーチャーはいっぱい注文してきます。足はこう、ひざは、股関節は、骨盤は・・・目線からメンタル面まで気を付けることが、無限といってもいいほどあります。
種目もいっぱいありますし、気を付けきれない。いろいろ注意されても、一つ一つキチンと熟していくのは難しいので、とりあえずやってみる。
時間が経つと言われたことも忘れていきます。しかし、練習を続けていると、時間が経ってから気づくことがあります。その時の言葉とかを、ふと思い出す時がある。
それも数か月後だったり、何年も経ってからだったり、あの時、この事を言いたかったのかと気づき思い出す。聞いた通り思い込んでいたつもりだけど、そうではなかったと、気づく瞬間がある。
思い込んでいたことが、そうではなかった、何かがたりなかったと気づく時、勘違いだったと気づく。
「勘違いはいっぱいしなさい」と言ったのは、いっぱい練習して、いっぱい気づきなさいということだったのかもしれない。
と気づくのに時間がかかりました。
そのコーチャーは「いっぱい投げかけるから、拾えるものから拾いなさい」とも言っていました。
言葉にしろ、感覚にしろ、いっぱい投げかけてもらえば、いっぱい拾うチャンスがあるということなのだと思う。
自分を鍛えていかなければ、拾えるものも拾えない。
”ノープレッシャー、ノーダイヤモンド” 最近知った言葉ですが、ダイヤモンドとは炭素が地中深くで物凄い圧力を受けて出来る貴重な価値のあるもの。
プレッシャーなくして価値は得られないといったところでしょうか。ちょっと無理な背伸びをして届かなかったところに届くように成長していきたいと思いました。
このコーチャーは、もうダンスから離れてしまって、会うことはないかと思いますが、時間が経つごとに尊敬と感謝の気持ちが大きくなっていきます。