歩けるうちは、まだ大丈夫。
――在宅医が教えてくれた、後悔しない生き方
「最期のこと」って、普段はあまり考えませんよね。
忙しい毎日を過ごしていると、
健康でいられることが当たり前のように感じてしまいます。
でも、ある在宅医の先生の言葉を知ってから、
私は少しだけ生き方が変わりました。
その先生は、群馬で長年在宅医療に携わってきた
萬田緑平先生。
17年以上にわたり、2000人以上の方をご自宅で看取ってきた方です。
そんな先生がたどり着いた結論は、とてもシンプルでした。
「人は、歩けるうちは死なない」
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歩く力は、筋肉よりも“気持ち”
先生はこう言います。
歩けるということは、
まだ「頑張れる」ということ。
そして頑張れるということは、
脳が元気で、生きる気持ちが残っているということ。
亡くなる2時間前まで、
自分の足でトイレに行った方もいたそうです。
体が細くなっても、
気持ちがある限り、人は歩こうとする。
だからこそ、
歩けなくなることは、体だけの問題ではないのだと。
背筋を伸ばすだけで、未来は少し変わる
面白い話があります。
「30分、背筋を伸ばして座っていられる人は、30分歩ける」
背筋を伸ばすというのは、
自分の体を自分で支えること。
それができる時間と、歩ける時間は、
ほぼ同じなのだそうです。
特別なトレーニングじゃなくていい。
・大股で、ゆっくり歩く
・1日に何度か立ち上がる
・少しだけ姿勢を意識する
それだけでも、未来は違ってくるかもしれません。
「筋肉の貯金」って、素敵な言葉ですよね。
病院と家、どちらが“生きる場所”?
多くの人は、
「病院にいれば安心」と思います。
もちろん医療は大切です。
でも先生はこう言います。
病院は“治す場所”
家は“生きる場所”
高齢の方が入院すると、
急に元気がなくなったり、認知機能が落ちたりすることがあります。
環境が変わることは、それだけで大きなストレス。
家に帰った途端、
表情が戻る方も少なくないそうです。
「安心できる場所」は、
体よりも先に心を支えてくれるのかもしれません。
寿命を延ばす、いちばんやさしい言葉
もし親が弱ってきたら、
ついこう言ってしまいませんか。
「もっと頑張って」
「ちゃんとリハビリしないと」
でも先生がすすめるのは、まったく逆でした。
それは――
「ありがとう」
ありがとうと言われると、
人は「まだ役に立てている」と感じます。
その安心感が、
生きる力を少しだけ押し上げる。
実際に、余命わずかと言われた方が
家族からの「ありがとう」で気持ちを取り戻し、
最後の日まで自分の足で歩けたという話もあります。
奇跡のようでいて、
実はとても人間らしい話です。
最後に後悔しないために
人が最期に後悔することは、
意外と似ています。
・こんなに仕事しなくてもよかった
・もっと大切な人と時間を過ごせばよかった
・自分の人生を生きればよかった
どれも、今日から少しだけ変えられること。
背筋を伸ばすことも。
ありがとうと言うことも。
会いたい人に連絡することも。
特別な準備はいりません。
歩けるうちは、まだ大丈夫。
今日、普通に歩けたこと。
ごはんを食べられたこと。
誰かと笑えたこと。
それだけで、実は十分すごい。
そんなふうに思えたら、
きっとこれからの毎日は、少しやわらかくなるはずです。
読んでくれたあなたが、
今日一日を少しだけ大切に過ごせますように。
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